携帯小説!(PC版)

喫茶10

[432]  湯島 朗  2006-04-27投稿
「羽音ちゃん、気分はどう?」
「最悪・・・かも。」
「え?じゃあ看護婦さん・・・っ。」
「そういうのじゃなくて・・・あいつに会ったのと、喫茶で失敗した事で最悪な気分なの。」
 こんな事言っても、わかってくれないだろうな。そんな考えを持ちながら、私はなぜか嫌そうにでなく淡々と話した。
「さっきの奴らは、私が通ってた中学校のお嬢様なんだよ。それで・・・、あっ。私、私立行って
 んだよね。それで、学費はあいつに払ってもらってたんだ。親友だから・・・って。でも、それ
 がネタでいじめられた。脅してもない金を脅してとったとか言って、私を私立から退学させた。
 その後は、普通に市立に言ってた。でも、私立に言ってたから、それもまた、いじめの原因に
 なった。」
 なんでこんなに真実喋ってんだろ。香音ちゃんに喋ったところで何の解決にもならないのに・・・。
「わたしもそうだよ。」
 香音ちゃんは口を開いた。今まで、一言も挟まずに聞いてくれていた。それに気がついたのは今。今まで、精神科に行ったところで「あなたが悪い」・・・。それだけだった。私が何かをしたから仕打ちを受けているんだって。私立なんかに行くから・・・。私立なんか?なんでよ。行ってもいいじゃないって。そう思ってた。最後まで聞いてくれる医者なんて世界中まわってもいまいと思った。だから、私は・・・。もう親にも見捨てられて「喫茶10」に行った。逃げ場が欲しかった。

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