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ぼくらの金メダル〜5

[473]  Kっち  2008-03-13投稿
目覚まし時計が鳴っている。短い方の針が、4を指している。当たり前だが、外は、真っ暗だ。
少し興奮しているのか…すぐに目は覚めた。
そう、今日は、待ちに待った、県大会予選の日だ。
学校の駐車場に、4時半に集合。この日は、みんなの親たちも勢揃いして、応援に来てくれた。
バスも貸し切って、片道3時間かけて試合会場へ向かう。
なんだか親たちの方が、興奮しているみたいだった。バスの中では、大きな話声や、笑い声が跳びかっていた。そういう僕たちも、朝早く起こされた割には、目が冴えていて、どうでもいい話で盛り上がっていたりしていたんだけども…。
途中のサービスエリアで、うどんを食べて、バスに揺られて、
ウトウトしかけた頃、ようやく目的地の試合会場に到着した。
バスから降りると、急いで場所を確保して荷物を置いたら、キャプテンを先頭に、軽くランニングを始める。アップをしながら体をあっためる。スパイクに履き変えて、キャッチボール。
トスバッティング…守備練習…
いつもどおりの練習メニューをしながら、いつもとは違う景色の中で、ふと思う。本当に、僕らは、ここまで来たんだな…。
去年、来た時とは、やっぱり気持ちが違う気がする。この9人で、このメンバーで、ここまで来たんだもんな。
県内の各ブロックから勝ちあがってきたチームが、顔を合わせる。この時点で、ベスト16という訳だ。トーナメントだから、負けたら、そこで終わりだ。
僕たちは、1試合目に試合をすることになった。相手は、隣町のチームだった。市内では、1、2を争う、速球派のピッチャーだ。今期、初対戦となる。周りの大人たちに言わせると、仕組まれてる…らしいけど、僕たちには関係ない。目の前の相手に勝つだけなんだから。
試合は、始まった。
思った以上に、相手のピッチャーの球は速かった。まるで打てない。バットにあたらない。
完敗だった。この日、ヒットを打てたのは、1つ年下の後輩ただ1人だけだった。1度しか打席が廻って来なかった奴もいた。
悔し涙を流した奴がいた。
本気で、勝ちたかったから…
でも、これが、今の僕たちの実力なのだから…精一杯やった結果なんだから。気持ちを切り替えて、また次なる目標に向かって突き進むだけだから。
僕たちは、大きな橋の下で、ちょっとふて腐れた顔の記念写真を撮り、そのあと、みんなで、弁当を笑って食べた。

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