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散ったとしても。8

[288]  吉乃森 雪  2006-04-27投稿

その笑顔はとても綺麗で、眩しくて。
自分の周りだけ時間が止まったみたいになった。


それからいつの間にか雲英くんを目で追うようになって、芽生えた感情が“好き”に気付いた。


…でもそれ以来会話らしい会話なんてしたことはない。




「…………あんまし、こんなタイプ嫌いかな…」

石ころを蹴飛ばした。
もしかしたら、あたしみたいな背が高めの女は嫌いかも知れない。
涙と笑顔が似合う女が好きかもしれない。

頭のなかには、そればっかりで。(たまにあの馬鹿のヘラヘラした顔がチラつくけど)


「どーしよーも無いじゃん」

そうよ。
あたしは他の女みたいに光なんてない。
きっと色だと黒にあてはまると思う。
それでも、たまに告白されたりするから、こんな自分でも自信がもてた。

けど

けど。


「天と地の差っぽい」

自分の言葉にダメージを受けた。

でも、きっと。

「豆の木育てて、天まで上ってやる…」

こうやって目標をたてるのがあたしの日課。
─ここでいつもなら翔が出てきて『なぁにが豆の木なの?』とかなんとか言いながらアタックかまして‥

「ねぇ!なにが豆の木?そんなんで天まで上る気?」

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