携帯小説!(PC版)

陽炎

[234]  Gon  2008-03-14投稿
冷たい銃口が額に押しつけられた。
死ぬんだ。これで人生が終わるんだ。
海岸通りの倉庫の床にひざまずき、俺は神ではなく、ヤクザなクズに許しを乞うている。救済が与えられることはない。落とし前をつけさせるだけだ。
目は拳銃から逸らすことが出来ない。銃口の真っ暗な穴が視界いっぱいに広がり、そのまま吸い込まれてしまいそうだ。
隣で、このような事態を招いた張本人が惨めに震えている。
アツシ、俺のすべて。
こんなことになっても、俺はお前を憎めない。お前が助かるなら、俺は死んだっていい。本当だ。
ただ、お前を好きだと言えずに死ぬことだけは耐えられない。
いままさに殺されようとしているのに、俺の頭は冷静で冴え渡っていた。
男の指が引き金にかかったが、仲間が入ってきたので視線が外れた。俺は素早く立ち上がると、男から銃を奪い、なんの躊躇いもなく男とその仲間を撃ち殺した。
俺の後ろで呆気にとられているアツシに、さよならと告げ、警察に自首した。

裁判では殺意が争点となった。
俺は殺意を認めた。アツシのことは黙り通した。
俺は過剰防衛で有罪判決を受けた。
傍聴席に視線を走らせたがアツシの姿を見ることはなかった。

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