声[ヴォイス] 5
聞いた事もない声にピタリと足を止めた。
「…麗?なんか言った?」
「え?何も。
…由奈ぁ〜。早く〜!」
ほっぺを膨らませ、麗が怒り始めた。
きっと気のせいだ。
私は、そう思う事にした…。
だが、気のせいではなかった事にすぐ気付かされた…。
「由奈…。い〜ぃ名前だな。」
由奈。確かに自分の名前を呼んだ。
背筋が…ゾクっとする。
「だ、誰…?」
辺りを見回しても誰もおらず、次第に恐怖を覚えていった。
「由奈…。お前の望みを叶えてやるよ。」
私の…望み…?
ドクン。心臓が大きく脈を打った。
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