携帯小説!(PC版)

ゴール道?

[298]  アルフォート  2008-03-16投稿

『やっと見つけた…』
なぜだろう、無意識のうちに呟いていた。
俺の目の前にある建物。それはalterという美容院だった。男の人が滑るような手つきで、髪をカットしている。俺は夢中になってそれを見ていた。
どれぐらいの間、見ていただろう。男の人は俺の存在に気付いたのか、にっこり笑い『ちょっと入ってこれば?』と言った。

チャリンチャリン…
『いらっしゃい。外、寒かったっしょ?』
『寒かったです。…ていうか凄いですね、それ。』
『俺、この仕事好きなんだ。お客さんが喜んでくれるのってなんか…すごい嬉しいしね。』
『こうやって人を変わらせるのって…すごいですよね。俺なんか、やりたいことも見つからないし。俺って¨情¨がないんですかね?何に対しても興味持てないし。』
『…俺が髪カットしてるの見てどう思った?』
『すげぇって思いました。』
『ちゃんと¨情¨あるじゃん?今はまだ¨すげぇ¨の段階でいんじゃない?』
『…そんなこと言ってもらえたの初めてです。みんな外見でしか判断してくれなくて…本当はずっと寂しかったんです。っていうか初対面の人にこんな熱く語っちゃって…すいません。』
『あはは。じゃあ俺も語っちゃおうかな。俺もさ、自惚れてる訳じゃないけど、結構¨すげぇ¨とか言われるんだよね。そのたびに、口先だけじゃん?って思ってた。でも今、君に¨すげぇ¨って言ってもらえて、気持ちこもってるの伝わってきたし嬉しかったよ。』
『また来てもい…』
ピピピピピ♪
『あ、もう10時だし店閉めるわ。またいつでもおいで。』
『ありがとうございます。あ、最後に名前いいですか?』
『俺は聖だよ。高峰聖。君は?』
『野添けいです。じゃあ、さようなら。』
『名前までかっこいいね。じゃあ、おやすみ。』

その夜、俺は高峰さんの言葉を繰り返し思い浮かべていた。
「ちゃんと¨情¨あるじゃん?」かぁ…かっこいい人だったな。

次の日も俺はalterへ行った。
『高峰さん。また来ちゃいました。』
『聖でいいよ。』
『聖…さん。今日はあと何人ぐらい予約入ってるんですか?』『あと三人ぐらいかな?五分後に予約入ってるんだけど…もしよかったら、見ていく?』
『いいんですか?』
『勿論。』

チャリンチャリン…
『いらっしゃいませ。』
入ってきたのは20才ぐらいの女の人だった。

感想

感想はありません。

「 アルフォート 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス