６人が最初にやること、それは世界各地で行われた同プロジェクトの参加者の安否の確認。

しかし６人の表情から読み取れるもの、それは絶望にちかいものだった。


どこの施設からも生命反応がない。細胞から完全に死滅していた。プロジェクトの参加者600人中594人の少年と少女は目覚めることなく永遠の眠りについたのだ。


ただ１つの救いはこの地球の大気や地中、地表の成分が二千年前とほとんど変わっていなかったことであり、それは地上を歩くことができるということだ。


「で…これからどうする？」


ノエルの質問に他の５人はなかなか応えない。ノエルが口にせずともすでに考えていたこと。応えたくても応えることができないのだ。


しばらく続いた沈黙を破ったのは小柄な中国人のフェイだった。


「まずは地上に出てみるっていうのは…？食料も３年分しか無いですし」


アダムが小さく頷いた。


「俺も地上の様子を知りたい。俺は賛成だ」


ノエルを除く３人もフェイの意見に賛同したがノエルはおもしろくなさそうに組んでいた腕をほどいた。


「早速、人類繁栄のためにベッドに直行ってのはどうだ？」


ノエルは挑発するようにフェイに言い寄ったがフェイは思わぬ言葉に動揺し何も言い返せなかった。


ノエルはさらにじりじりと近寄っていったがローグが突然間に割って入ってきた。


「冗談を言っている場合じゃないわ。私達はチーム。話し合いには真面目に参加して」


それは静かで優しい声だったがどこか迫力のある声だった。


ノエルは観念したのか溜め息をつくと近くにあったイスを引き寄せどっかりと座った。

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