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花「咲く」。

[366]  アイ  2008-03-17投稿
花は咲いてもボクは咲かない。

咲けない。


光が足りないから。


水も。温度も足りない。寒い。



……どうして花は咲くんだろう。


こんなにも冷たい場所で。ひび割れた地面で。


闇に包まれているのに。

どうして。



ボクには何もかも足りなかったよ。



光という名の夢も。


水という名の希望も。


温度という名の愛も。

何もかもが。



……なぁ。



君はどうして咲くんだい?



一人でつらくはないか?



光が足りなくないか?

水が足りなくないか?


温度はあるか?



――どうして。



キラキラ輝く、花を見つめる。


見ていてわかった。

ようやく知った。



君自身が輝いているからだ。



君は負けたくないんだね。


何が足りなくても、どんなに絶望的な状況でも。



だからそんなに綺麗なんだ。



「咲ける」んだ。



……ねぇわかったよ。



ボクも……頑張るよ。



負けない。



「咲いて」やる。



だから……だからそこで見てろよ。



ボクの花を。ボクの花の色を唄ってくれ。




――そうしたら、ボクに名前をつけてくれるかい?


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