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散ったとしても。10

[291]  吉乃森 雪  2006-04-28投稿

でも、どこか。
悲しげな声。


「嫌なコトでもあったわけ?」

気が付けば口からそんな言葉がでていた。

「まっさかぁ〜!なになに?心配してくれてる?わーい!ありがと〜」

「?」
確に、確に。
普段と一緒のテンションなのに。
馬鹿みたいにヘラッと頭にくる言葉吐いて、馬鹿みたい、…馬鹿、なのに。

「やっぱ、変…」
きっと、これが“心配”なんだと思う。
柄にもなくソレが働く。

なにか、違う。そんな気がする。

「や、ホントなにもないって〜」
「翔?」

背を押す手が震えてる気がする。

え、なに…?

「翔…?」
「………」

やがて翔から与えられる手の感覚はなくなって、手が触れていないことに気付いた。

振り向けば腕は下ろしていて、顔を伏せていた。

…覗きこんで、驚いた。


「っ…?なっ、なに泣いてんの!?」

なにが、辛いの?

「ね、ねぇ!翔どうしたわけ?意味わかんないよ…!」

ほんとに、意味わかんない。
私?私が原因?

暴言を浴びせすぎて、傷付いた?いや、な訳ない!絶対!!

…じゃあ、なに?


「ねぇ‥「俺さ」

肩に触れたとき、ポツリと翔が呟いた。

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