風船<2>
どこか、人に迷惑がかからない場所は無いのか…?
虚ろな目をしながら、寺井和馬はあちこち探し回っていた。
しばらく歩いていると、木を見上げている女の子を見つけた。
どうやら風船を引っ掛かけてしまったようだ。
どうせ死ぬならいい事をしてから死にたい。
そう思い、思い切り地面を蹴り、風船を取った。
「…はい。今度は離しちゃだめだよ?」
自分で言うのもあれだが俺は結構、運動神経がいいのでこんなのは朝飯前である。
女の子はキョトンとしていたが、ゆっくりと口を開き始めた。
「…あんた、これが見えるのかい!?」
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