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産まれた愛

[202]  ふく  2008-03-20投稿
繋いだ手を放す瞬間
たまらなく寂しくなる
私の手がまたあなたの手を繋ぎたがる
手を振るあなたを見ると
たまらなく愛おしくなる
私の靴がまたあなたを追い掛けたがる
今別れたのにまた会いたくなる
あなたが私の掌に残してくれた温もり
頬に当ててみて寂しさを紛らわす

あなたには敵わない
『何かあったの』
たいていのことは見透かされてしまう
私の少しの変化にも気付いてくれるからあなたの気遣う優しい声に安心して悩みもいつしか消える
いくら嘘をついてもいくらごまかしても気付かれてしまう

あなたの背中をいつまでも見つめる
頬に当てた手もいつしか冷たくなって心細くなる
姿が見えなくなる前にもう一度戻って来て
いつでも会えるのに
またすぐに会えるのに
涙で滲む瞳が景色を消して行く

聞き慣れた足音が聞こえてくる
見慣れた靴に涙が落ちる
あなたに隠し事は出来ない
言葉にしなくても伝わってしまう
涙も薄れてやっと見えた景色はあなたの笑った顔だった
そっと体を包んでくれる
全ての力をあなたに委ねて目を閉じると不思議なほど安心する

初めて呼吸を始めた日
あなたと出会うために産まれてきた
静かに聞こえる心臓はあなたに恋をするために懸命に波打った
まだ小さな手をあなたと繋ぐために必死で動かした
つぶられた瞳をあなたを見るために必死で開いた
あなたを呼ぶように声を上げて泣いた

あなたに会いに行けるように歩き始めた

そんなわけないのに
あなたの胸の中にいると
何だかそんなふうに思えてくる

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