ぼくらの金メダル〜12
僕らのピッチャーの速球と、緩急をつけたチェンジアップに、相手チームは翻弄されていた。
1番ショートのキャプテンは、選球眼を生かして四球を選んで塁に出る。そんな積極的なプレーが、後に続くバッターを奮起させる。塁に出れば、すかさず盗塁。この頃の彼はノーサインで、彼の持つ抜群のセンスで、試合をかきまわす。キャプテンとして、グイグイと仲間を引っ張って行くというタイプでは無いが、こうしたプレーで仲間からの信頼を得ているキャプテンだった。この日も、そうしたプレーで相手ピッチャーの動揺を誘い、続く3番サードも塁に出た。足で掻き回し、動揺した相手ピッチャーが三塁へ悪送球…。その間にホームに帰り…逆転だぁ。2−1…まだまだ、安心は出来ない。相手は、全国3位のチーム…それに、僕達は、最終回になると崩れ、点を取られてしまうクセがある…。油断してはいけない。最終回の、スリーアウトをとるまでは。
ピッチャーは、丁寧に気持ちをこめて投げた。
キャッチャーは、強気のサインを出し、決して後ろにそらさず体で受け止めることに徹した。
ファーストは、どんな球を投げられても長い手足をフルに伸ばし捕球することに努めた。
セカンドは、簡単なゴロほど慎重にさばくことを心掛けた。
ショートは、必ずアウトをとると決めた。
サードは、どんな打球にも飛んででも喰らいつこうと思っていた。
レフトは、緊張しながらも飛んできた打球に突っ込んで行こうと構えていた。
センターは、何があっても自分の頭上は越えさせないと決めていた。
ライトは、緊張の中、ボールを自分の後ろに転がさないように集中していた。
最終回…みんなの気持ちが一つになって、ツーアウトまで取った。あと一つ…あとアウト一つ…。ピッチャーが投げた…打者が打った…セカンドの前に…転がった。みんなが、固唾を飲んで見守った。一瞬、ボールが弾いた…あっ、…セカンドは落ち着いていた。ボールをファーストに投げる。1塁の塁審の腕が挙がった。アウト〜。……やった
やったぁ〜。『優勝だぁ』…
自然とガッツポーズをあげていた。ピッチャーとキャッチャーは、マウンドで抱き合っていた。内野も集まって、喜びを分かち合った。それ以上に、応援席は喜びの涙と歓声に沸き立っていた。
僕らは気持ちで勝った。誰よりも『勝ちたい』と強く願い、心を一つにして手にした、小さな奇跡だった。
1番ショートのキャプテンは、選球眼を生かして四球を選んで塁に出る。そんな積極的なプレーが、後に続くバッターを奮起させる。塁に出れば、すかさず盗塁。この頃の彼はノーサインで、彼の持つ抜群のセンスで、試合をかきまわす。キャプテンとして、グイグイと仲間を引っ張って行くというタイプでは無いが、こうしたプレーで仲間からの信頼を得ているキャプテンだった。この日も、そうしたプレーで相手ピッチャーの動揺を誘い、続く3番サードも塁に出た。足で掻き回し、動揺した相手ピッチャーが三塁へ悪送球…。その間にホームに帰り…逆転だぁ。2−1…まだまだ、安心は出来ない。相手は、全国3位のチーム…それに、僕達は、最終回になると崩れ、点を取られてしまうクセがある…。油断してはいけない。最終回の、スリーアウトをとるまでは。
ピッチャーは、丁寧に気持ちをこめて投げた。
キャッチャーは、強気のサインを出し、決して後ろにそらさず体で受け止めることに徹した。
ファーストは、どんな球を投げられても長い手足をフルに伸ばし捕球することに努めた。
セカンドは、簡単なゴロほど慎重にさばくことを心掛けた。
ショートは、必ずアウトをとると決めた。
サードは、どんな打球にも飛んででも喰らいつこうと思っていた。
レフトは、緊張しながらも飛んできた打球に突っ込んで行こうと構えていた。
センターは、何があっても自分の頭上は越えさせないと決めていた。
ライトは、緊張の中、ボールを自分の後ろに転がさないように集中していた。
最終回…みんなの気持ちが一つになって、ツーアウトまで取った。あと一つ…あとアウト一つ…。ピッチャーが投げた…打者が打った…セカンドの前に…転がった。みんなが、固唾を飲んで見守った。一瞬、ボールが弾いた…あっ、…セカンドは落ち着いていた。ボールをファーストに投げる。1塁の塁審の腕が挙がった。アウト〜。……やった
やったぁ〜。『優勝だぁ』…
自然とガッツポーズをあげていた。ピッチャーとキャッチャーは、マウンドで抱き合っていた。内野も集まって、喜びを分かち合った。それ以上に、応援席は喜びの涙と歓声に沸き立っていた。
僕らは気持ちで勝った。誰よりも『勝ちたい』と強く願い、心を一つにして手にした、小さな奇跡だった。
感想
- 9305： 涙がポロポロと…。止まりません。あの日の感動が蘇って?嬉しかったですね。MVPもいれましょうよぉ〜.なんちゃって(^-^) [2011-01-16]
