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暖簾も無いオンボロ食堂3

[398]  KURO  2008-03-23投稿
奥の座敷は一段高く小上がりの様になっていた。
八畳と六畳の続きの間があって広さは充分だった。
座卓が五つあり、それぞれにお茶とお冷やのポットが置かれていて気配りも充分だった。

床にはカーペットが敷かれているが、八畳と六畳のカーペットでは無く、中途半端なサイズ、然も色違いのものをチグハグに敷くと云うバラエティー敷きを採用していた。
これは「一色に染まりたく無い」と云う、店主の意思の現れであろう。
私は靴を脱ぎ、座敷の床に一歩踏み出した。
すると‥‥
床がダォ〜ン!と弾むのであった。
予想外の床ダォ〜ン!に、私は前につんのめった。 すると、更に強い力で床がダオ〜ン!転ぶまいと慌てて踏み出す一歩が又ダオ〜ン!ダオ〜ン!ダオ〜ン!‥‥‥


‥‥まことに楽しい。

恐らく、店主は元トランポリン選手であったに違い無い。客にもトランポリンの楽しさを知って貰おうと、わざわざ床を改造したのであろう。

六畳間の角のテーブルを選んで腰を下ろし、私は早速メニューを見ようとしたが、普通、テーブルの上にある筈のメニューは無かった。


続く。

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