「おい、おいって？」
あたしは、気がつくと休み時間だった。
「お前、変だな。」
恵太が笑った。
「はぁ〜？あんたの方が変でしょ？！」
「なんでだよ？」
あたしはあわてて口をつぐんだ。トイレ事件は、だめだ。なんとなくだけど言っちゃだめだ！
「べ、別に？」
それでも笑えてくる。
「はぁ？？」
「みんな、座れ〜。」
数学の先生が来た。ﾅｲｽﾀｲﾐﾝｸﾞ！
「入学式の次の日やった、テストを返すぞ〜。」
みんなが口々に嫌がる。
「えー、中野から〜。」
…あたしは…35点？！
「あらら。光月姫は、地獄点？」
「紀梨は…75〜？いいな〜！！」
んなことないよ、紀梨はそう言ってくれたけど…最初のテストからショックなんですけど。
「すっげ〜！」
どこかすぐ近くから、歓声があがった。
「こいつ、どんだけだよ〜？！」
「マジ、泉君すごー。」
泉？恵太か…。
何点なの？って紀梨が、近くにいた男子に聞くと、その男子は最高点だよ、って教えてくれた。
「最高点って…100点？！」
男子は頷く。
マジですか…。
「泉君って、スポーツもできて頭もよくて、かっこよくて、憧れる〜！」
どこかで女子がささやいた。
そうですか…。完璧でしたか…。あぁ〜あ。なんか置いてかれた気分。

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