RED 2
私は音が好きだったし、身体がそれを求めていた。
人ごみをかきわけて、フロアの隅に目をやった私はふと一人の女に目がいった。その女こそがキィコだった。
まるでこの爆音が聞こえていないかのようにフロアをぼっと眺めている。腕はとてもきゃしゃで切れ長の目をした美人だった。
誰か一緒に来ているんだろうか…?
色白で少し不健康そうだ。
DJが変わり少しテンポの良い音に変わる頃、隅に目をやるとすでに女は居なくなっていた。
何故か私はその冷たい視線の女の事が気になっていた。
その後、REDで姿を見掛ける事もなく、私も女の事を忘れかけていた頃、突然思わぬ再会を果たすのだ。
その日は雨が降っていた。
仕事が終わってREDへ向かう私の目の前を、車が水しぶきをあげて走っていき、不機嫌に車に目をやりまた前方を向き直した。
私は一瞬暗がりに目を凝らした。
そこには傘もささずびしょ濡れになっているあの女が凍えた目をして立っていた。
雨粒なのか、涙なのか、頬をつたう滴は止めどなく流れている。
駆け寄って傘をわたす。
無反応なまま…
車はまたしぶきをあげていく。
私と女はそのまま手をつなぎREDへと向かった。
人ごみをかきわけて、フロアの隅に目をやった私はふと一人の女に目がいった。その女こそがキィコだった。
まるでこの爆音が聞こえていないかのようにフロアをぼっと眺めている。腕はとてもきゃしゃで切れ長の目をした美人だった。
誰か一緒に来ているんだろうか…?
色白で少し不健康そうだ。
DJが変わり少しテンポの良い音に変わる頃、隅に目をやるとすでに女は居なくなっていた。
何故か私はその冷たい視線の女の事が気になっていた。
その後、REDで姿を見掛ける事もなく、私も女の事を忘れかけていた頃、突然思わぬ再会を果たすのだ。
その日は雨が降っていた。
仕事が終わってREDへ向かう私の目の前を、車が水しぶきをあげて走っていき、不機嫌に車に目をやりまた前方を向き直した。
私は一瞬暗がりに目を凝らした。
そこには傘もささずびしょ濡れになっているあの女が凍えた目をして立っていた。
雨粒なのか、涙なのか、頬をつたう滴は止めどなく流れている。
駆け寄って傘をわたす。
無反応なまま…
車はまたしぶきをあげていく。
私と女はそのまま手をつなぎREDへと向かった。
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