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ぼくらの金メダル〜最終章

[329]  Kっち  2008-03-29投稿
12月半ばの日曜日。
僕らが、ずっとライバルと思っているチームの主催の大会だ。
この大会が、僕らにとって最後の試合となる。決勝戦で、また戦い優勝することが、この日の目標だった。

1試合目…1番あたりたくない相手との対戦だ。いつも接戦で苦戦する。なかなか打てないでいた。いつも投手戦だ。サードの彼は、この日初めて相手投手のチェンジアップに上手く合わす事が出来た。『いった』と思った。これで逆転だと…相手の好守備に阻まれ…フライにされた。打席で彼は…うずくまって泣いた。いつもなら苦笑いくらいしただろう。でも、立ち上がれない程泣いていた。
最終回…同点のままかと思われたが、四番が意地の一発を魅せた。あわやホームランかというあたりだった。繋いでくれ…という想いに応えて、セカンドのミラクルボーイがやってくれた。必死にボールを叩いて打った。ゴロだが、打球に勢いがある。その間に、四番が激走してホームイン…劇的なサヨナラ勝ちだった。
2試合目…全員野球で、打って守って、10−0で勝利。
そして…準々決勝
今だ…勝てていないチームだ。
好ゲームをするものの…引き分けてばかりだった。この日も、投手戦。なかなか打てない。相手も打てない。0−0が続く。
最終回…試合を決めたのは……
僕らチームの…エラーだった。
これが、僕らチームの最終戦となった。これで…終わった。僕たちらしい…終わり方で…。

この一年間…全ての試合を全力で戦った。胸を張って言える。打撃不振で悩んだ奴もいた。
スタメン落ちして悔しい想いをした奴もいる。
怒鳴られてばかりだった。
目標を見失いかけた時がある。
後少しのところで勝利を逃した悔しさを知ったし、苦しい時こそ、共に泣き、笑いあえる仲間がいる喜びも知った。
勝てなかった相手に、勝つ喜びを知った。
諦めなければ…夢は叶う事を知った。だから、悔いは無い。

優勝…2回。準優勝…3回。3位…3回。
55戦中…38勝 11敗 6分
これが、この一年間の僕らの成績だ。

これが、僕らが残した…僕らの軌跡であり、小さな奇跡なんだ。そして…これが、全力で闘った日々が、僕らにとっての『金メダル』…なんだ。

そして…桜が舞う頃…また旅立つ。いざ、〇中 野球部へ!

−END−

感想

  • 9354: 1〜最終章まで…すべてを思い出しながら涙して読ませてもらいました。昨年はホント親子共々素晴らしく、思い出深い1年だったと思います。最高の思い出、そして感動の小説をありがとうございました。 [2011-01-16]

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