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彼の恋人(最終話)

[340]  高橋晶子  2008-04-01投稿
2年後、暁は仙台で遅れてきた青春を満喫していた。一浪して東北大理学部に入学し、研究漬けの一方で地元の女子大生にモテまくっている。
桜庭の同級生とはほぼ疎遠となってしまった。恋愛禁止、志望校を滑って鬱屈としたあの時代に誰も戻りたくないからだ。ただ一人、親友の惇とは頻繁に連絡を取り合っている。惇とのメールのやり取りを通じて初めて、博文達の近況を知る事になる。
2年生になって初めて惇からメールが届いた。

仙台に1年住んでまた1年住むんだね、暁。
俺は社会人3年生。弟は第一志望の同志社大1回生だよ。理工学部。
弟の話から修学館や青海の情報を知って、つくづく彼等は俺達とは違うと思わずにいられないよ。
今度、弟の先輩の友達で国際基督教大に行ってる奴がタイに留学するんだ。1年間の派遣留学でタイの性転換事情を肌で触れて来るんだってさ。
そう言えば、野中もタイに留学したがってたな。あいつは自分の夢を実現させる為に英語を猛勉強していたから、今頃はタイ語も熱心に覚えてる事だろうね。ついでに言うと、そいつの弟はこの春、名古屋の専門学校に通うんだ。
修学館と青海の奴等は卒業してからも深い友情で結ばれてて、正直言って羨ましい! けど、真瀬と野中がいつの間にそいつ等に取り込まれてて凹んじゃったよ○| ̄|_
おかげで真瀬と野中の近況を知る事が出来る訳だけど、この二人は男と深い関係を築こうとは思わないよ。恋愛が人生の全てではない事を悟ってるからね。
弟の先輩のほかの友達も、京大、慶應、奈良女子大、横浜国立に通ってたりと、そうそうたる面々が揃ってるそうだよ。芸術家や薬剤師、栄養士を目指している女の子もいる。教員志望の当の本人は一人暮らしを始めてから体重が20キロ減ったんだ。頑張れ! メタボ解消!
このメールを書く為に早起きしたら、もう出勤時間だ!
君の2年目のキャンパスライフに期待するよ。

byはしじゅん

暁は親友のメールに心を打たれながら、青葉の山路を向かう。

感想

  • 9378: 前回の投稿が事実上の最終話です。 基本的に1話完結型で視点の異なる独立した物語の連続でしたが、最後まで読み通すと一つの物語になる様に構成したつもりです。 青春群像劇に流れる所を、博文が佳純の為に何かしてあげる段階で締め括る予定だったので、佳純を死なせてしまった事を後悔しています。佳純を死なせなければ机上の落書きの話はもっと書けた筈です。 ちゃんとした形で私の物語を読みたいという人が一人でもいれば、書き直したいです。名波のその後を明かさない理由が見えてきますから。 (投稿者より) [2011-01-16]

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