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1話 はじまり

[396]  *ティー*  2008-04-04投稿
・・暗くて寒い。

何も聞こえないような気がしたが、どこか遠くでそれが叫んでいるのが聞こえた。

・・どうして、・・

そうだ、俺が一回振り上げるごとに一つ忘れよう。
忘れれば、きっと楽になれるから。

・ ・彼のことも、全て。
俺と彼の思い出の全てを、ここに、置いていこう。

でも、

それでも、

彼の最期の言葉だけは、忘れられなかった。

それは、微笑みながら彼が口走った、小さな願いごと。



これは、その時は人間だった少年が痛みを避けるために記憶を捨ててから、80年後の物語。

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