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ハッピーエンドじゃない恋物語?

[535]  くろくン  2006-05-01投稿
その時間の授業中、詩音はさっき聞いた翔の声を、頭の中で何度も何度も繰り返していた。


-見るだけでよかったのに、翔くンのこと、もっと知りたいな-


だんだん詩音の中で大きくなってゆく感情。


授業も終わり、いつものように、薫が詩音の所へ来る。


ふと廊下を見ると、翔がさとしに教科書を返しにきたのか、二人で話しているのが目に入った。


「ね、詩音!!今、すごいチャンスぢゃない?!アドレス聞きにいこ-よ!!」


薫の唐突な言葉に、詩音はなかなか頭がついていかず、驚いた顔をしていると


「はやくはやくっ!!」


そ-言って、薫は詩音の腕をぐいっと引っ張り、二人に近付いて言った。


「ちょっ‥‥!待って!」


心の準備ができていない詩音が薫にそ-言った時、すでに翔とさとしの目の前にいた。


翔とさとしはまだ状況が把握出来てないようで、きょとンと二人を見ていた。


-うわ-っ!!どうしよ‥-


詩音は勇気が出ず、ずっと下を向いていた。


そンな詩音をよそに、薫はやる気まんまんで詩音の腕をつかんだままさとしに近付いた。


「ねぇねぇっ!!アドレス教えてくれない?」


-え-!!!??薫まじすごいっ-

詩音は関心した。

さとしは一瞬びっくりした顔をしたが、意外にもあっさりアドレスを教えてくれた。

薫の横にいた詩音も何故かアドレスを交換する事になっていた。

「詩音もはやく聞きに行き!!こンなチャンスも-ないかもしれんよっ」


その薫の言葉に励まされ、詩音は薫の元から離れ、翔の前に立った。


「あの‥‥アドレス教えてくれン?」


自分でもビックリするぐらいの勇気だ。

翔は少しびっくりしていたが、自分のポケットから携帯を出し、笑顔で詩音に差し出した。


「えーよ」


詩音は、翔の笑顔と、アドレスを交換出来る!」


詩音はこンなささいな事でも嬉しくて、自然と笑顔をこぼしながらアドレスを登録し終えた携帯を翔に差し出した。


「ありがとお♪」


「お-!」


携帯を受けとると、翔は自分の教室へ帰って行った。


詩音は今の幸せにひたりながら、登録したばかりの翔のアドレスを見ていた。

「やったじゃン♪」


薫も嬉しそうに携帯を詩音に向けた。


「うン♪」


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