心霊特番
『恐怖の霊界レポート!!あなたの知ったこっちゃない世界スペシャル』
「………」
俺はテレビ画面を見つめた。
テレビのリモコンに手を伸ばしチャンネルを変えようとする。
俺は生来怖がりだ…『リング』を視て腰をぬかし、『呪怨』で夜眠れなくなり、『ゴーストバスターズ』すら『ゴースト』の部分に反応して視れないぐらいだ。
もし俺がこの番組を視たらどうなるか…
俺は自分の安眠のためこの番組は視ない。
そうさ、別に心霊特番を視ないといけない法律はない…。
二時間後…
…最後まで見てしまった…
怖い…こここ怖すぎる…何故だ?あんなに視ないと言ったのに…
自分が怖がりだとわかっているのに何故?
まさか…これも呪いなのか?俺は知らず知らずのうちに心霊特番を見るように呪われて…イヤ待て、考えるな…もう寝よう、それが一番だ!
俺は布団を頭まで被り目を瞑った。
だが、なかなか眠れない。目を瞑ればさっきの番組が蘇る
瞬きを繰り返しているうちに便所に行きたくなってきた。
だが…だがッ!
トイレまでの道のりが…長い!
もし廊下の途中で幽霊に襲われたら…そうだお経を唱えていこう!それなら幽霊も近づけない!…まてよ…もし英語圏の幽霊だったら?
俺は英語なんか喋れない…だったら武器を…そもそも幽霊に肉弾戦が可能なのか?
クソ〜!自分の家にビビッてどうする!
俺は廊下をダッシュで突き抜け、トイレの前までやって来た。
俺はドアノブを一気に回しトイレに入る。
ハハハハハハッ!
これで心おきなくスッキリできた!
花子さんもカッパもいなかった!
そんなことを考えながら便器をみると…
血まみれだった…
情けない話だが、俺はその場でぶっ倒れ結局下半身丸出しで朝まで過ごしてしまった…
心霊特番なんて二度と視るかッ!
…因みに血まみれの便器は俺の血尿だった…
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