携帯小説!(PC版)

緑の車

[316]  もね  2008-04-05投稿
緑の車は似合わない眩い景色を映して走る

時に停まり時に無茶なスピードで
時に雨に打たれ時に風に吹かれて

大きな道でクラクションを鳴らされ
小道に入ればすれ違うのも難しく
何処へ向かう道か分からない時もある

でも時折行き止まりと思う道に先があり広々した自然が広がる時もある

その時は車を停めて土手を登って
遥かな景色を眺めてみる

何て訳でもないけれど
自分が偶然此処にいる事確かめてみたくて

車の波の中否定し見失った自分の存在を
何も言わずそこに在る物だけが
肯定している気がして立ち尽くす

私はあの車達の中に愛を見つける事が出来ない
私の様な者はあの雑踏でガラスの破片になるのだろう

上手く自分を話せず上手く人を受け止められないまま

まるで私と同じようにただそこにあるだけの自然に心寄せて

また車に乗り当てのない旅を続けてゆく

涙雨の痕遺る緑の車で


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