携帯小説!(PC版)

匂い

[333]  あやこ  2008-04-05投稿
深夜、お風呂あがりに夫の煙草を一本拝借する。


彼と同じ煙草。


石鹸のかおりと煙草の匂いが絡み合う。



彼は私を抱く前にシャワーを浴びない。
毎朝シャワーを浴びて出勤するから。


裸になって彼の胸に顔を寄せると石鹸と煙草の混じった匂い…『彼がすぐそばにいるんだ』そう実感する。
胸の奥まで息を吸う。
そして私は甘い吐息をつく。




今、煙草と私の体についた石鹸のかおりで即席の彼の匂いをつくる。



『会いたいな…』と思った。


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