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記憶〜Memory1-3〜

[400]  嵯峨野 龍  2008-04-06投稿
『人間に、限界と言うものは存在しない』と誰かが言ったような気がしないでもない。そうだ、人はやろうと思えばなんでもできる筈だ。そう、どんな重労働だろうとできる─
「─わけがねーーー!!」
俺は叫んだ、シャウトした。
「あーもー、うっさいな〜。静かにしてよ。」
隣にいる燎がそんなことをぼやく。
ここは図書館。けれど、今は俺と燎がいるだけだ。
「だってよ〜、燎〜。」
今の俺は泣きたい気分だ。いや、もう泣く。マジで泣くよ!?
俺がこんな気分なのは、生徒会長のせいだ。顔も知らない生徒会長の。

ことの発端は、昼休み。一人の男子生徒が俺を訪ねてきたことから始まった。
「あの、すいません。」
声の方を見ると、男子生徒が一人、ドアの外に立っていた。
「何?。」
近くにいたクラスメイトが対応したのを見て、俺はまた外の景色を眺める。
俺は朝の『あの』出来事を思い出す。
俺が副会長?冗談じゃない。
オッサン(理事長のことだ)が言うには、今の副会長が急病で、治るまで代理を勤めろとのことだ。
「長月君。」
「ん?」
振り向くとさっきの、男子生徒の相手をしていた女子生徒がいた。
「あの人が、長月君に用があるって。」
「あぁ、サンキュ。」
それだけ言って、その子は女子の輪に入っていった。
そして俺は男子生徒の待つドアに近づいた。
「俺に用があるって?」
「ヒッ!」
またか…。
俺は少々うんざりした。
この男子生徒の反応は、俺にとって慣れっこになっていた。記憶喪失になる前の俺はなかなかの不良少年だったらしく、初めて学校に顔を出したときは、教室の場所を訊こうとした下級生には叫んで逃げられるし、教室に入ったらみんなに避けられ、先生には『ついに朝から来るようになったのか』と泣かれた。その時は、事情を知っていた燎がみんなに説明してくれたから良かったが、二回目の登校である今日もクラスメイト以外からは悲鳴を上げられる始末。
「何もしねーから安心しろ。」
安心させるためにそう言うと、男子生徒は慌てて「す、すいません。」と言って頭を下げる。
「で、何の用?」
「あの、理事長に聞いたんですけど、あなたが代理の副会長になったんですよね?」
「ああ、不本意ながら、そうなった。」
「生徒会長からの伝言があります。」
何だってんだ?これ以上厄介事はごめんだぞ?
「『文化祭での生徒会ね出し物を決めておきなさい。』だそうです。」

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