守る覚悟
不意に私は警戒心が強くなった。
いつもぼんやりしていて、うまく現実が掴みきれていなかった。けど、急に世界がハッキリ見えはじめた。
――ここは、なんて危険な所なんだろう。
一瞬気を抜くだけで、大切に守ってきたものが腕の合間からすり抜ける。
強い緊張感が私を縛る。
気を抜いては……ダメだ。大切なものを守りたいなら、いつも目を光らせてないと。
老いた両親を守れるのは、私だけ。兄さんなんか頼りにならない。
唇を噛みしめて耐えている友人を気遣えるのは、私だけ。みんな余裕がないから。
誰も……誰も失いたくない。絶対に。
だったら私が強くなるしかない。
この世界は恐ろしい。平気で大切なものたちにキズをつける。
私じゃダメかもしれない。まだまだ弱いガキだから。
でも、聞いて、現実サン。私はアンタなんかに負けたくない。
私を怖がらせてみろ。あらゆる方法で不幸にしてみろ。
きっと乗り越えてやる。大切な人たち、すべてと共に。
いつもぼんやりしていて、うまく現実が掴みきれていなかった。けど、急に世界がハッキリ見えはじめた。
――ここは、なんて危険な所なんだろう。
一瞬気を抜くだけで、大切に守ってきたものが腕の合間からすり抜ける。
強い緊張感が私を縛る。
気を抜いては……ダメだ。大切なものを守りたいなら、いつも目を光らせてないと。
老いた両親を守れるのは、私だけ。兄さんなんか頼りにならない。
唇を噛みしめて耐えている友人を気遣えるのは、私だけ。みんな余裕がないから。
誰も……誰も失いたくない。絶対に。
だったら私が強くなるしかない。
この世界は恐ろしい。平気で大切なものたちにキズをつける。
私じゃダメかもしれない。まだまだ弱いガキだから。
でも、聞いて、現実サン。私はアンタなんかに負けたくない。
私を怖がらせてみろ。あらゆる方法で不幸にしてみろ。
きっと乗り越えてやる。大切な人たち、すべてと共に。
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