Forgot-2
トラウマを負った彼の記憶は、必死にそれを治そうとした。
具体的に言えば、母親のことを忘れようとしたのだ。
楽しかった事も
苦しかった事も
そして実際に、全てではないが、彼は母親との記憶を忘れていった。
他にどうしようもなかった、と言えば言い訳になる。
しかし、人間というのは都合よく造られている。
病気のところは治せばいい。その原因ごと消してしまえ。
つまりは、トラウマの原因となる、記憶ごと消してしまえ、ということ。
そう、そうして母親との思い出を消すことによって悲しみを乗り越えた。
もう、彼はあまり思い出せないのだ。
母が、どんな声だったか
どんな話をしていたのかさえも
辛くもあるが、仕方ない。
繰り返しになるけど、他に選択肢もなかったのだ。
生活は大きく変化した。
食事は祖母が作るようになり、他の家事も、家族全員(彼と兄、父親に父方の祖父母)でこなすようになった。
週末には、父方の伯母が来て、家事を手伝ってくれさえした。
そうして新たな生活に慣れていき、悲しみと共に記憶も薄れていったのだった。
具体的に言えば、母親のことを忘れようとしたのだ。
楽しかった事も
苦しかった事も
そして実際に、全てではないが、彼は母親との記憶を忘れていった。
他にどうしようもなかった、と言えば言い訳になる。
しかし、人間というのは都合よく造られている。
病気のところは治せばいい。その原因ごと消してしまえ。
つまりは、トラウマの原因となる、記憶ごと消してしまえ、ということ。
そう、そうして母親との思い出を消すことによって悲しみを乗り越えた。
もう、彼はあまり思い出せないのだ。
母が、どんな声だったか
どんな話をしていたのかさえも
辛くもあるが、仕方ない。
繰り返しになるけど、他に選択肢もなかったのだ。
生活は大きく変化した。
食事は祖母が作るようになり、他の家事も、家族全員(彼と兄、父親に父方の祖父母)でこなすようになった。
週末には、父方の伯母が来て、家事を手伝ってくれさえした。
そうして新たな生活に慣れていき、悲しみと共に記憶も薄れていったのだった。
感想
感想はありません。