携帯小説!(PC版)

トップページ >> ノンジャンル >> ある日コンビニで

ある日コンビニで

[299]  もね  2008-04-08投稿
ある時私はコンビニで雑誌を見た
そこにはパレスチナの銃撃戦を望遠レンズで撮った写真があった
ある意味日常的報道写真

偶然通りかかった父子が壁に隠れ逃げられずにいる
連続した白黒の写真の中狙撃兵に見つかり命乞いをする二人
その後父親が撃ち抜かれその目に光が無くなる
少年は兵士に向かい叫びを上げながら祈り続ける
最後の写真は父子が折り重なり倒れていた

私はただ呑気なコンビニで数枚の写真に震えていた
毎日のようにどこかでこんな事が起きている
だから私は強く生きようと簡単に言えば言える
人に寛大にとか文句言わずに悔いなく死ねるかとか幾らだって言えるのが怖い
その少年は悔いなく死んだのか

より良く生きるとかより良く死ぬとか
そんな事が生まれ落ち死に行く事の意味なのか

何も分からない虚無感と何も出来ない無力感
本当はそれに向き合う格好してみてるだけで直視してもどうしようもないそんな自分のはけ口が信仰じゃないか

精神の在り方その先に答えがあるのかそれを私は見付ける事ができるか

本当はそれを欲していたはずでもそれが怖いのかその先の虚無に耐えられないのか
美しい言葉でそこに蓋をする
私の心のその扉を少年は開けて去った

口で言うなら簡単と誰もが言う
口で言う以外誰が何をできるか心を揺さぶられるそれ以外何ができるのか
この写真を撮った人間にもそれは分かるだろうか

自分のプライドや欲望に後付けの理由を付けて今このぬるま湯で正当化する私に何が見えるか

少年が開けて逝った扉の向こうをさまようだけ

その先に行きえた人はいるのか
その先に行きえた人はいるのか



感想

感想はありません。

「 もね 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス