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忘れられない日

[190]  ふく  2008-04-08投稿
カレンダーを見てまた心が痛む
毎年必ず来るこの日
何よりも大切に思っていたこの日
忘れようとも忘れられないあの人の誕生日
目を伏せていても感じる春の気配と暖かい風が私に知らせる

初めて過ごしたこの日に初めてあげたプレゼント
二度目の誕生日には少し奮発して食事に行った
鮮明に残る思い出に虚しくも胸が苦しくなる

三度目はなかった
二度目の誕生日に約束をした次が叶うことはなかった
だけど毎年知らされるカレンダーでまた甦る記憶
何年経っても特別は変わらない
おめでとうも言えないけど祈りに近い声でおめでとうを呟く

誰と過ごしているかなんて考えたくはない
いつまでも私だけの特別な日であって
いつまでも残されたこの思い出は私だけの宝物であって欲しい

一人で迎えるあの人の誕生日はどんな一日よりも輝いて幸せなはずなのにやっぱり寂しくて
無理して笑って過ごしてみるけど痛みや悲しみは消せない

また一年後には同じように一人でいるのならこの日が来ることが怖くなる
あの人が生まれてこれから沢山の幸せがあの人を取り巻くように
そう願って祝福してきたつもりでもたどり着く結論はただ一つ

あの人の隣で過ごしたい
初めて過ごしたあの日のように
少し照れ笑いをして寄り添っていたい
誰よりも早くおめでとうを言いたい

考えれば考える程自分を苦しめる
忘れられたらいい
大切な日が苦しい日に変わってしまう前に
思い出もあの人も記憶から抹消されてもいい

本当はそんなの嫌だけど
綺麗で美しかった日々を無かったことにするのは辛いけど
もう十分苦しかったし傷付いたから

そんなふうに
全てを忘れてしまえる残酷な人間になってしまえたらいいのに

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