私の右手はもう貴方の手に繋がれることもなく宙をさまよう
何だか寂しくて手持ち無沙汰でポケットにしまい込む

貴方の横顔を見れるのはあと何回だろう
少し前を歩く貴方を見てふと孤独を感じる
縮めようとして頑張っても貴方が速度を落としてくれないからまた距離が広がる
まるで二人の関係のように思えてきて虚しい
行き交う恋人達を見て羨ましくも思う
手を繋いで楽しそうに響く声
幸せに満ち溢れた笑顔
全てが疎ましい

離れたくない
私の気持ちはいつでも貴方を追い掛けているから
追い付けるように懸命に急いでいるのに
手を伸ばしたらすぐに掴める所にいるのに伸ばせない
出会った頃はあんなにも馬鹿みたいに好きを言えたのにもう言えない
そんな諦めにも似た思いで潰されそうになる

涙を飲み込んで貴方の隣を歩くのがやっとで
痛む心までも情けない
追い求めて来た努力が実らず傷に溺れていく

最後の可能性に賭けるように手を伸ばす
後少しで貴方へ届く
私の人差し指が貴方の小指に触れた
その瞬間に擦り抜けて行く感触
また取り残された私の手が行き場をなくして泣いている

縮まることはない距離を埋める術も知らない
好きも出てこない自分の口元に一人になった手を当てて泣いた
気付かれないように静かに泣いた
気付いても優しくはしないで
期待も可能性も全部脱ぎ捨てるからもう構わなくてもいい

後どれくらい貴方を愛せば私は報われるのだろう
毎日悩まされた問題にも答えはある
それに気付いた

報われない恋ならば苦しいだけ
もういらない

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