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狂乱 後編

[466]  籬 規那  2008-04-09投稿


声がしていてはいけない


あなたの存在が誰の目にも触れるようでは





日記をとじる。

だってもう、その必要はないんだ。あなたを見つめて、思い出し……

これは、これで幸せだった。




だけれど私達は新たな門出を迎えるんだ。

お互いの為に。








彼女の赤く、美しく、なまめかしいほどに甘美な。

血液を。


内側を、そして用意してあった材料を使って







ひ と つ に な る










趣味で魔術を学んでいてよかった。


さあ。魔法陣が完成したよ。


























生まれたのは、二人の人間を混ぜ合わせた化け物だった。

不完全な魔術により、無理矢理にくっつけた体は、もはや肉塊でしかなく

声も、二人が同時に泣き叫んでは、意味を持って聞こえない。




『幽霊屋敷』

そうよばれる廃墟には、


今も人でないものの慟哭がこだまする









感想

  • 9604: 作者です。主語や、文体の僅かな変化(主人公、だんだん狂っております)に、気付いてくれる方がいらっしゃったのなら、幸いです。   よく考えると、さりげない言葉の中に隠語が含まれていたり、他の意味としてとれたりと、深い作品に仕上げました(^-^)←携帯小説?   それぞれのスタイルで、お楽しみ下さい。   籬 規那 [2011-01-16]

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