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不振の時

[343]  あや  2008-04-10投稿
私は信じていた彼に裏切られていた。
彼には私以外にも愛する人がいたなんてシャレにならないよ。

今日は朝からついてなかった。ガムを踏んじゃううし、電車には乗り遅れるし。

帰り道に私は街角で彼を見かけた。嬉しくなって声をかけようとしたが、笑顔の彼の隣には見知らぬ女性の姿。

その瞬間、私の顔から笑顔が消えていくのが分かった。

情けないかも知れないけど、私は彼を信じたい。
アレハタダノトモダチ

私は、くるりと踵を返してもときた方向へまた歩き始めた。

私は何も見なかったと、あれは見間違いだと自分の心に言い聞かせた。

私はあなたを信じてる。
でも、私の中で今までなかった不振の芽が確実に芽吹くのを感じた。

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