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星の蒼さは 45

[474]  金太郎  2008-04-11投稿
「何を言いだすかと思えば…面白い娘だ」

土田の口調は柔かだったが、その相貌は全く笑っていなかった。

「敵の動きは余りにも迅速でした。近くの前線からの到着時間と全く計算が合いませんわ。最初から部隊の展開を完了していたとしか思えません。そして我々は『UnHappyNewYear』唯一の生き残り……」

「何が言いたい?」

「関東司令部の力を以てすれば簡単に“あの日”撃墜された死亡艦に仕立て上げられるという訳です」

「誰がそんな真似をする?」

「………分かりません。月のスパイ、或いは」

滝川は土田の目を見据え、力強く言った

「裏切り者」

土田はどかりと椅子に倒れこみ、煙草を吹かし始めた。
「そのような事があるなら大事件だ。放ってはおけん。けしからん事だ」

「ええ、大事件ですわ」

「その調査は必ず進めておこう。君が気にする必要はない」

『気にする必要はない』つまり、余計な詮索は無用。黙っていろ。という訳か。

「時に恵美君。かの兵器に搭乗していたパイロットを捕えたそうじゃな」

そう言えば。

滝川は辺りを見渡した

彼女はさっきから滝川と土田の間にちょこんと座り、小さくなっていた。

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