endo・memory6
―コイツらが、スカイを…っ…憎い…憎い…!! 「うぁああぁ!!」 アクセルが叫び、黒い奴らに鍵を振り下ろした。さっき木の剣で戦った時とはうらはらに、鍵を当てると奴らは簡単に消えてしまう。「どうして、スカイは、何で…!」アクセルは狂ったように黒い奴らを斬り続ける。けど、何度斬ろうと奴らはいなくならない。 「……!」―スカイ……!!―この空の下で、君と僕は会ったよね…♪ …歌…? アクセルは斬るのを止めた。…ユキの歌が、聞こえる… ―この歌はね、寂しい時に歌ってるんだよ。 「ユキ…」 アクセルは走り出した。黒い奴らが襲って来るのは、気にしない。…スカイはいない。でも、ユキはいる…アクセルの頬から、血が流れた。 「…っ、怖い…?」そんなの、自分でもわからない。ただ、ユキの所に、行かなくちゃ… しばらく行くと、森の崖近くにユキが立っているのが見えた。アクセルの顔がほころぶ。「ユキ!!」 ユキが一瞬ぴくりと動いて振り返った。ユキの顔は、どこか疲れたような顔をしている。ユキの虚ろな顔が微かに明るくなった。 「アクセル…!」 アクセルの顔も明るさを取り戻す。やっと会えた。ユキに… 「……」 が、突然ユキの足元に暗い闇が円を描いて現れた。ユキがその闇に埋まって行く。アクセルがユキにかけ寄ろうとすると、闇がアクセルの所にも広がり、アクセルも沼にはまるように埋まって行ってしまう。 「ユっ…キ…!」アクセルはユキに手を伸ばした。ユキもアクセルに手を伸ばす。埋まって行く体を、前に前に動かす。けど、ユキには届かない。ユキが苦しそうにアクセルを見た。 「アクセル…手…」ユキの声は、消え入りそうで…でも、その手は、重ならなくて… 「繋いでて…」ユキの微かな声が、アクセルの耳に響いた。 「ユキ―!!!」 視界が、闇に消えた。 ―ザブン… 突如、アクセルとユキは真っ暗な海のような所に投げ出された。アクセルがユキを抱き抱えている。必死に上へ行こうとするが、体は言う事を聞かない。ゆっくりとアクセルが沈んで行く。体が動かないのだ。するりとユキがアクセルの腕から抜ける。アクセルはユキを掴もうとするが、届かない。ユキは気絶でもしているのだろうか。浮く事に身をまかせている。「ユキ…」悲しいな。
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