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私の居場所。

[408]  アイ  2008-04-13投稿
両手に顔を埋めて泣いたあの日。
涙は温かく指の間を伝っていった。
空はそんな事お構いなしによく晴れてて。
鮮明な青は今も胸に焼き付いてる。
たくさん傷ついたね。たくさん傷つけてきたね。
何を思ってあの時泣いたの?痛かったの、悲しかったの?
今でもまだわからない。
だって私あの頃のまま。
両手に顔を埋めて泣いてる。
世界は優しかったでしょ?息を吸えて歌うことができて。これ以上何を望むの?
欲張りな私は、私だけの居場所が欲しかった。
誰にも代わることのできない、私だけのポスト。
誰かに必要とされる人間になりたかったんだ。


くすんだ影。くすんだ青。
いつしか雲が太陽を遮っていた。
闇に背中を撫でられて、ようやく気づいた。
――このままじゃいけない。
私、変わらなきゃ……。


失ってから気づくという言葉がある。
だけど、よく考えてみて。
私はまだ何も失っていない。
今ならまだやり直せるでしょ……!
光が差した。
雲はいつの間にか散っていて、直視できないほど眩しい光がそこにはあった。
……泣いてばかりじゃ、ダメなんだね。
居場所は誰かに与えられるものじゃない。分けてもらうものじゃない。
自分で作るものなんだ。
心を開いて笑える場所。
そこが私の、私だけの居場所。
やっとわかったよ……。


私は相変わらずここに立っているけど。
もう両手に顔を埋めてなんかいない。
涙の跡は、もうないね。
これから、なんだ。
すべては私の努力次第。
動き出した私の時間。
私、変われる気がする……!
そう、今なら。
私は意を決すると、最初の一歩を踏み出した――。

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