奈央と出会えたから。<125>
* * * * * *
公園から聖人の家に着くまでに、あたし達が通り過ぎた風景は―\r
所々色付き始め、少しずつ秋が深まりゆくのを感じさせた―\r
『秋の匂いがする。』
思わずあたしが呟く―\r
『秋の匂い?!』
聖人は不思議そうな顔をして、あたしを見つめた―\r
『そう。秋の匂い‥。聖人には分からない?』
あたしは聖人を見上げる―\r
『俺‥‥秋は嫌いだから。』
聖人は、またあの悲しそうな目をしていた―\r
聖人の時折、ふと見せるこの悲しそうな表情を見る度、
あたしは、何が聖人をそうさせているのか―\r
聖人の心底の更に深い所には、
もしかしたら何かあるのかもしれないって、
いつも気になっていたんだ―\r
『秋が嫌い?』
ただでさえ―\r
みんなの前では強がっていた聖人だから―\r
でもそれは―\r
あたしだって聖人と付き合う様になるまでは、思ってもいなかった事だし、
全く気が付かなかったコト―\r
だって聖人は決してみんなの前で、自分の弱さを見せなかったし―\r
“学校内で一番恐れられた存在”などと言われていたから―\r
だから―\r
聖人は、いつだって強いヤツだって―\r
いつだって、とんでもないワルだって―\r
そんな傍迷惑な噂―
流されてる聖人の気持ちも知らないで―\r
みんな好き勝手に楽しんで噂してた―\r
時には有りもしない作り話さえあった―\r
『おぅ‥。秋ってなんか寂しくね?!』
聖人は、ただのワルじゃない―\r
聖人は、スーパーマンでも何でもない―\r
『うん。何かちょっぴり物寂しくなっちゃうかな。』
本当は凄くシャイだし、凄く弱い部分も知っている―\r
心の部分だけじゃなく、
体だってそう―\r
生まれながらの心臓疾患を持っているし―\r
おまけにアレルギー体質で、喘息持ちなんだから―\r
聖人には、もっと自分を大切にしてほしいって、
あたしはいつも思っているのに―\r
あなたは全然分かってくれないけれど‥‥‥‥‥。
公園から聖人の家に着くまでに、あたし達が通り過ぎた風景は―\r
所々色付き始め、少しずつ秋が深まりゆくのを感じさせた―\r
『秋の匂いがする。』
思わずあたしが呟く―\r
『秋の匂い?!』
聖人は不思議そうな顔をして、あたしを見つめた―\r
『そう。秋の匂い‥。聖人には分からない?』
あたしは聖人を見上げる―\r
『俺‥‥秋は嫌いだから。』
聖人は、またあの悲しそうな目をしていた―\r
聖人の時折、ふと見せるこの悲しそうな表情を見る度、
あたしは、何が聖人をそうさせているのか―\r
聖人の心底の更に深い所には、
もしかしたら何かあるのかもしれないって、
いつも気になっていたんだ―\r
『秋が嫌い?』
ただでさえ―\r
みんなの前では強がっていた聖人だから―\r
でもそれは―\r
あたしだって聖人と付き合う様になるまでは、思ってもいなかった事だし、
全く気が付かなかったコト―\r
だって聖人は決してみんなの前で、自分の弱さを見せなかったし―\r
“学校内で一番恐れられた存在”などと言われていたから―\r
だから―\r
聖人は、いつだって強いヤツだって―\r
いつだって、とんでもないワルだって―\r
そんな傍迷惑な噂―
流されてる聖人の気持ちも知らないで―\r
みんな好き勝手に楽しんで噂してた―\r
時には有りもしない作り話さえあった―\r
『おぅ‥。秋ってなんか寂しくね?!』
聖人は、ただのワルじゃない―\r
聖人は、スーパーマンでも何でもない―\r
『うん。何かちょっぴり物寂しくなっちゃうかな。』
本当は凄くシャイだし、凄く弱い部分も知っている―\r
心の部分だけじゃなく、
体だってそう―\r
生まれながらの心臓疾患を持っているし―\r
おまけにアレルギー体質で、喘息持ちなんだから―\r
聖人には、もっと自分を大切にしてほしいって、
あたしはいつも思っているのに―\r
あなたは全然分かってくれないけれど‥‥‥‥‥。
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