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記憶〜Memory2-1〜

[434]  嵯峨野 龍  2008-04-15投稿
「ねぇ、そこの人。」
廊下を歩いていた下級生らしき生徒を呼び止める。
「えっ!?僕ですワッ!?」
顔を見られたとたんに驚かれる。
「おい、あの人…。」
「ああ、あいつ、可哀想に。きっと泣いて戻ってくるぜ…。」
周りの奴等が何か言っているが、気にしない。
「す、すみません。な、なんですか?」
「えっと、生徒会室探してるんだけど、どこにあるか教えてくれない?」
「せ、生徒会室でしたら、向かいの校舎の三階の一番奥にあります。」
きおつけの姿勢で答えてくれる後輩君。いい子だ。
「そうなのか、ありがとな。」
俺は礼を言って、生徒会室に走る。

俺が去ったあと。
「おい、大丈夫か!?」
「あ、ああ。」
「何された?」
「そ、それが…、なにも。生徒会室の場所を訊いただけだった。」
「なにぃ!?」
「し、しかも、ありがとうって…。」
「あの人が礼を?」
「天変地異だ!!」
「いや、これは俺たちを油断させる作戦だ!」
「いやいや、これは………。」
「いやいやいや、そうじゃなくて…………。」
こんな失礼極まりないやり取りがあったなんて、俺が知るよしもなかった。

「ふぅ、やっと見つけたぞ…。」
こんな探すなら、やっぱり燎につれてきてもらえばよかった…。
後悔したが、後の祭りである。心配する燎を用事があるなら、と言って帰らせたのは俺なんだし…。
ま、過ぎたことは仕方がない。そう思い直し、俺は生徒会室のドアを開けた。
「ど〜も〜。」
人にナメられないためには、初めの印象が大事だ。俺はそう思い、なるべく陽気に入った。
…これ以上怖がられるのはごめんだからな。
「はい。ど〜ぞ〜。」
同じく陽気な感じで返ってくる声。
生徒会室の真ん中に置かれている、大きく丸い机。その向こう側に、その声の主は居た。
俺は最初から、生徒会長はイヤ〜な感じのガリ勉野郎だと思っていた。それは、この部屋に入る前までも思っていた。なんせ、伝言だけで人をコキ使う。しかも、今日の呼び出しだって放課後に、放送で言ってきた。
だが…。
俺は、もう一度生徒会長を見た。
「この学校で〜、生徒会長をやらせてもらっている〜、丘苑 纏(おかその まとい)です〜。」
そこには、なんともほのぼのした感じのする女の子がいた。
丘苑纏と名乗った女の子は俺を見て、ほのぼのとこう言った。
「初めまして〜。確か、『生月釜田さん』。通り名は、『餅つき名人』でしたよね。」

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