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カミサマ 〜堕天使〜

[328]  BgwP←/  2008-04-16投稿
 彼は、ラピス・サラサエルという少年はサラサエル(堕天使)の名のごとく、神ではなく大人たちに歯向かった。

 歯向かった、というのは正確には違う。
 彼はただ、物事の真実を唱えただけなのだ。

 なのに大人たちは彼の言う事を信じず、否定した。

 神を愚弄するなと叱りつけた。

 本当に愚弄している者が誰かも判らずに、彼を拒絶した。

 そして彼は、当たり前のように一人になった。

 この世で生きていく為には、大人たちに従わなければいけない事など、聡明な彼には初めから判っていた。

 しかし、彼はそれをしなかった。
 自分の心は曲げてはいけないと知っていたから。

 それに彼は寂しくなかった。

 数年前に滅びた教会には、その当時死んだ神父がいたし、天使達も彼の相手をしてくれた。

 もちろん、神も彼を見捨てなどしなかった。

 だから、彼は寂しくなかった。






 これが、彼の始まり。
 そして、彼がサラサエル(神の使途)になった瞬間(とき)。

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