恋しくて…
あれから、一年の歳月が流れたのか。
太陽からの陽射しが、強くなっていくのを、体で感じてしまう。
アスファルトの上を歩いている。距離に比例して、汗も滴り落ちる。
≪ピンポ−ン♪≫
『タカシ君、今日もお願いね』
『あっ…俺の方こそ…』
玄関が開くと、中から涼しい風が流れだし、一瞬だが汗が止まった。ちょいとした、オアシス。
『麦茶、持ってこよっか』
姉の美香さんが、汗だくの俺に気遣ってくれる。
((ミーン!ミーン!))
≪もう蝉が鳴いてる≫
『貴士くん、今日はどこに連れてってくれるの』
、楽しみ半分、不安半分、無邪気な顔で、尋ねる理香。
『車に乗って、鍾乳洞に行こっか♪』
ニコッと微笑み、答える。答えなければ、ならない。
『鍾乳洞って、楽しいとこ!?』
記憶を失った、理香は子供のように、期待満点の顔をする。
『もう…タカシ君に麦茶、持っていってよ』
美香さんのコップを横取りすると「ハイッ!」と、差し出した。
『39〜♪』
ゴクッ!ゴクゴク!と飲み干す姿に、一喜一憂する理香が、愛しい。
あの事故から、初めて車に乗る。
一年の月日が、理香の傷を癒せたのか、俺の方が緊張している。
今日は、俺の車じゃない。部屋から毎日見ている、理香のパパの車を借りてのドライブだ。
『理香ちゃん! そろそろ、行こうか』
『うん♪』
俺の緊張とはウラハラ、車への恐怖を、理香は感じることもなかった。
ただ、一年前のように会話が弾むコトもない。
『ねえ…!?』
『んン…どうした』
『遊びに連れて行ってくれたり、家に来たりしてくれるけど、どうして!?』
不思議そうな顔で尋ねてきた。
≪エエ…≫
なんて、答えるべきなのか、わからない。
かなり、困った顔をしていた。
事故は、俺との待ち合わせの時に、起こったわけで、俺が理香を跳ねたわけじゃない。
≪何で!?何で!?≫
≪なんで?なんで?≫
『なんでたろう…』
ニコッと、不自然だが微笑んだ。理香の質問には、笑顔で答えなければならない。
【続】
太陽からの陽射しが、強くなっていくのを、体で感じてしまう。
アスファルトの上を歩いている。距離に比例して、汗も滴り落ちる。
≪ピンポ−ン♪≫
『タカシ君、今日もお願いね』
『あっ…俺の方こそ…』
玄関が開くと、中から涼しい風が流れだし、一瞬だが汗が止まった。ちょいとした、オアシス。
『麦茶、持ってこよっか』
姉の美香さんが、汗だくの俺に気遣ってくれる。
((ミーン!ミーン!))
≪もう蝉が鳴いてる≫
『貴士くん、今日はどこに連れてってくれるの』
、楽しみ半分、不安半分、無邪気な顔で、尋ねる理香。
『車に乗って、鍾乳洞に行こっか♪』
ニコッと微笑み、答える。答えなければ、ならない。
『鍾乳洞って、楽しいとこ!?』
記憶を失った、理香は子供のように、期待満点の顔をする。
『もう…タカシ君に麦茶、持っていってよ』
美香さんのコップを横取りすると「ハイッ!」と、差し出した。
『39〜♪』
ゴクッ!ゴクゴク!と飲み干す姿に、一喜一憂する理香が、愛しい。
あの事故から、初めて車に乗る。
一年の月日が、理香の傷を癒せたのか、俺の方が緊張している。
今日は、俺の車じゃない。部屋から毎日見ている、理香のパパの車を借りてのドライブだ。
『理香ちゃん! そろそろ、行こうか』
『うん♪』
俺の緊張とはウラハラ、車への恐怖を、理香は感じることもなかった。
ただ、一年前のように会話が弾むコトもない。
『ねえ…!?』
『んン…どうした』
『遊びに連れて行ってくれたり、家に来たりしてくれるけど、どうして!?』
不思議そうな顔で尋ねてきた。
≪エエ…≫
なんて、答えるべきなのか、わからない。
かなり、困った顔をしていた。
事故は、俺との待ち合わせの時に、起こったわけで、俺が理香を跳ねたわけじゃない。
≪何で!?何で!?≫
≪なんで?なんで?≫
『なんでたろう…』
ニコッと、不自然だが微笑んだ。理香の質問には、笑顔で答えなければならない。
【続】
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