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恋しくて…

[386]  タカシ<仮名>  2008-04-17投稿
あれから、一年の歳月が流れたのか。

太陽からの陽射しが、強くなっていくのを、体で感じてしまう。

アスファルトの上を歩いている。距離に比例して、汗も滴り落ちる。


≪ピンポ−ン♪≫

『タカシ君、今日もお願いね』

『あっ…俺の方こそ…』
玄関が開くと、中から涼しい風が流れだし、一瞬だが汗が止まった。ちょいとした、オアシス。

『麦茶、持ってこよっか』
姉の美香さんが、汗だくの俺に気遣ってくれる。


((ミーン!ミーン!))

≪もう蝉が鳴いてる≫



『貴士くん、今日はどこに連れてってくれるの』
、楽しみ半分、不安半分、無邪気な顔で、尋ねる理香。

『車に乗って、鍾乳洞に行こっか♪』
ニコッと微笑み、答える。答えなければ、ならない。

『鍾乳洞って、楽しいとこ!?』
記憶を失った、理香は子供のように、期待満点の顔をする。

『もう…タカシ君に麦茶、持っていってよ』

美香さんのコップを横取りすると「ハイッ!」と、差し出した。

『39〜♪』
ゴクッ!ゴクゴク!と飲み干す姿に、一喜一憂する理香が、愛しい。

あの事故から、初めて車に乗る。
一年の月日が、理香の傷を癒せたのか、俺の方が緊張している。

今日は、俺の車じゃない。部屋から毎日見ている、理香のパパの車を借りてのドライブだ。


『理香ちゃん! そろそろ、行こうか』

『うん♪』

俺の緊張とはウラハラ、車への恐怖を、理香は感じることもなかった。

ただ、一年前のように会話が弾むコトもない。





『ねえ…!?』

『んン…どうした』

『遊びに連れて行ってくれたり、家に来たりしてくれるけど、どうして!?』

不思議そうな顔で尋ねてきた。

≪エエ…≫
なんて、答えるべきなのか、わからない。
かなり、困った顔をしていた。

事故は、俺との待ち合わせの時に、起こったわけで、俺が理香を跳ねたわけじゃない。


≪何で!?何で!?≫

 ≪なんで?なんで?≫




『なんでたろう…』
ニコッと、不自然だが微笑んだ。理香の質問には、笑顔で答えなければならない。


 【続】

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