恋しくて…3【完】
陽射しは強いが、水が近いせいか、あまり暑さは感じなかった。
アメンボが、気持ち良さそうに、水の上を走る。
蝶々が、花から花へと舞う。
入口が近づくと、冷や〜んと涼しい風が吹く。
『気持ちいいね!』
『そうだね』
『中は、キラキラしてるよ。行こ!行こ!』
俺の手を引き、せかす。
『よし!行こっか!』
いろんな思いを、俺だけが抱えて、中にはいった。
竹がありクリスマスツリーみたいに、飾ってあり、わりと明るい。
少し進んだとこに、テーブルがあり、色紙とサインペンが置いてある。
『ここで、短冊にお願いを書くんだよ』
『この色紙、使いたい』
バックから、使いかけの色紙を取り出した。
『準備、いいじゃん』
『ちょっと、汚れてるけど…事故の時、握ってて…病院で鶴とか折ったから…その…』
≪嗚呼……!≫
七夕用に、去年買った色紙じゃないか。バレンタイン明けから、付き合ったんで、初イベントを、すんごい楽しみにしてたんだ。
『俺は、男だから青をくださいな♪』
『うん♪アタシは、ピンク♪』
そう言いながら、俺に灰色の紙を渡した。
『青はナイなり!?』
『じゃッ…緑は!?』
『今、お願い書いてるから、邪魔しないで』
『俺も、お願いした〜い』
そう、このキャッチボールは、理香としかできない。
『なんて、書いた!?』
『やだッ! 見ないで』
逃げ回る理香を、捕まえるわけでもなく、茶化していた。
『もう、書いたもん。早く、書いてよ』
仕方なく、灰色の紙に願いを書いた。
いつまでも
理香と仲良く
いられますように……
理香は、顔が真っ赤になった。
俺は、恥ずかしくないけどね。
『理香は、なんて書いたの!?』
『早く出よ! ねっ!』
俺の手を握り、引っ張る。
『わかったよ!』
二人の短冊を結んだ、竹から離れて行く。
何て書いたか、気になるけど、まっ!イっか…。
ふわ〜ッ
ピンクの紙が、風に揺れた。
貴士君が
白馬で迎えに
来ますように……。
【完】
アメンボが、気持ち良さそうに、水の上を走る。
蝶々が、花から花へと舞う。
入口が近づくと、冷や〜んと涼しい風が吹く。
『気持ちいいね!』
『そうだね』
『中は、キラキラしてるよ。行こ!行こ!』
俺の手を引き、せかす。
『よし!行こっか!』
いろんな思いを、俺だけが抱えて、中にはいった。
竹がありクリスマスツリーみたいに、飾ってあり、わりと明るい。
少し進んだとこに、テーブルがあり、色紙とサインペンが置いてある。
『ここで、短冊にお願いを書くんだよ』
『この色紙、使いたい』
バックから、使いかけの色紙を取り出した。
『準備、いいじゃん』
『ちょっと、汚れてるけど…事故の時、握ってて…病院で鶴とか折ったから…その…』
≪嗚呼……!≫
七夕用に、去年買った色紙じゃないか。バレンタイン明けから、付き合ったんで、初イベントを、すんごい楽しみにしてたんだ。
『俺は、男だから青をくださいな♪』
『うん♪アタシは、ピンク♪』
そう言いながら、俺に灰色の紙を渡した。
『青はナイなり!?』
『じゃッ…緑は!?』
『今、お願い書いてるから、邪魔しないで』
『俺も、お願いした〜い』
そう、このキャッチボールは、理香としかできない。
『なんて、書いた!?』
『やだッ! 見ないで』
逃げ回る理香を、捕まえるわけでもなく、茶化していた。
『もう、書いたもん。早く、書いてよ』
仕方なく、灰色の紙に願いを書いた。
いつまでも
理香と仲良く
いられますように……
理香は、顔が真っ赤になった。
俺は、恥ずかしくないけどね。
『理香は、なんて書いたの!?』
『早く出よ! ねっ!』
俺の手を握り、引っ張る。
『わかったよ!』
二人の短冊を結んだ、竹から離れて行く。
何て書いたか、気になるけど、まっ!イっか…。
ふわ〜ッ
ピンクの紙が、風に揺れた。
貴士君が
白馬で迎えに
来ますように……。
【完】
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