カミサマ 〜黒き姫〜
黒き姫、つまりアイサはとてもとても幸せな子だった。
家は裕福で不自由な事など何一つなく、友人にも恵まれ、あらゆる人たちから大切にされ、愛されていた。
そしてアイサは、神を信じていた。
悪を憎む神を信じていた。
あの日、アイサには詩が聴こえた。
―――神は貴方を愛すだろう。
神は私を嫌うだろう。
神は貴方を愛し、愛しきあまりに殺すだろう。
神は私を嫌い、嫌いなあまりに生かすだろう。
この世で死ほど愛される事はなく、生ほど嫌われる事などない―――\r
アイサはそれを否(いな)とした。
神は人を愛すからこそ生かすのだと信じていたから。
神は人を嫌うからこそ殺すのだと信じていたから。
だからアイサは教会に入ったのだ。
間違っていると言いたかった。
でも、言えなかった。
そもそもあの場で詩っていた人間などいなかったから。
その代わり、彼に会った。
アイサには彼が天使に見え、悪魔に見え、使途に見えた。
「お帰りなさい。黒き姫―――」
彼にそう言われた時、アイサは一瞬わけが判らなかった。
しかし、即座に悟った。
これは天命なのだと、神のお導きなのだ思った。
だから、アイサは言った。
「ただいま。サラサエル―――」
感想
- 9660: 面白い世界観ですね?応援してます、頑張ってくださいませ? ゆうこ [2011-01-16]
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