光と闇の間で
私には恋人がいる。でも手を繋いだり、ハシャいだりなど出来ない。それは私達が…プルルル電話だ。『もしもし』『零か?』『うん。どうしたの…?』『俺、また此処を出るよ。』『そぅ…もうその家は用無しって事ね?』『あぁ。零はどうしてる?』『変わらないわよ。毎日他人のフリ。あと…ね』『何?』『…祐司と会って話したい。』『…わかった。じゃあ会える時に連絡するから。』『うん…』プープー…私の名前は三枝零(さえぐされい、恋人は藤宮祐司(ふじみやゆうじ。……私達は他人の前で堂々とは会えない。何故なら私達は犯罪ばかりを犯しているから。さっきまで祐司がいた《此処》とゆうのも田舎住まいの老人の家か、来たばかりで日本の事をよく知らない外人の家の事だ。そこで居候したり取れるだけ金を奪って離れてく。私達の親は共にいない。いや、正確には殺したのだ。私達が。私には元々父親はいなかった。母親は経済状況が悪いからと中学を卒業させた後すぐに私を、夜の街へと渡したのだ。毎日知らない、汚らしい親父を相手にするのは堪えれなかった。母親への憎悪…もぅ殺してしまいたい…そんな時祐司と出会った。祐司も家の都合で夜の店で働いていた。やっている事はお手伝い程度で簡単なものだった。『零さん…?』『…何?』『…あの18歳未満ですよね?』『家の都合なんだから仕方ないじゃない。大体そっちで雇ってるんだから。』『僕もまだ17なったばかり。親の勝手な都合で働かせられてさ。』私はその時の祐司の瞳に同じものを感じた。それから私達は店で会う度に会話をし、仲良くなった。もちろんこの店は18歳未満の私を雇っていて違法なことも、そんな店で私が売春させられてる事も祐司は知ってた。でもお互いその事は話さなかった。余計苦しくなるだけだから。そんな時だった『ここかお前の娘が働いてる所は。』会話をしてた祐司とそちらへ目をやる。『親父だ…』『母さん?』『お前の母さんと出来てたんか?』すると私は祐司の父親に指名された。私の母親も一緒について来た。『祐司…』個室に入る直前、傍にいた祐司を呼んだ。『助けに行くから…』母親は部屋の隅でテレビを見ながら『どうぞ』と言うと男が手を出してきた。怖い、祐司!〈バコッ〉そこには木刀を持った祐司。『こんな親いらないからな。』突然の事で声が出ない母。『零はどうする?』気が付いたら私は自分の手で母親の首を締め、殺していた。
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