endo・memory9
―僕は、不完全な現実。君は、嘘の夢。 込み上げて来る怒りと憎しみ。コイツらがいなければ、ユキとスカイは―… 憎い…許さない… 「返せ!!!」アクセルの手が淡く光る。ノータイムがアクセルに一勢に襲いかかった。リクが慌てて拳銃をノータイムに構える。「あなた!逃げなさい!!」 ―パシュッ 何かが斬れる音。よくよく見てみると、さっきまでアクセルがいた所にアクセルはおらず、代わりに、ノータイムの後ろには、目を閉じたアクセルがいた。 「……。」リクが目を見開く。アクセルの手には、あの、黒い鍵があった。アクセルが閉じていた目を開く。その瞬間、アクセルに襲いかかろうとしていたノータイムが不思議と次々に斬れ、電気が切れた時のように消えた。アクセルが独り言をボソボソと喋り出す。「ユキ…スカイ……!」その瞬間、リクがアクセルの手を掴む。「待って!あなた、これは…」リクが驚いているのをうらはらに、アクセルは剣のような鍵をぼぅっと見た。 「タイムキー?」アクセルが鍵―タイムキーを見ながら虚ろな目で言う。リクはこくりとうなずいた。「これは、時救いの剣って呼ばれてるの。ほら、時計のネジに少し似てるでしょ?」アクセルは小さくうなずいた。まぁ、確かに似ているかも…リクはタイムキーを指で叩きながら続ける。「今、世界の時はバランスを崩しつつあるわ。たまに時が止まったり時間が早くなる事があるもの。」アクセルは半ばどうでもいいような顔でそれを聞く。今はユキとスカイを助けたいのに…そんなアクセルの考えをリクの言葉をさえぎった。「そこでよ!あなた、世界の時を戻しに行かない!?」元気に言い放ったリクの言葉に、アクセルは顔をひきつらせた。「はぁ!?」何だよそれ!何で俺が!!?アクセルはリクを睨みつけるように見た。
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