ひとを殺したい 2
毎日が単調でつまらなくて、僕は何かをしたかった。
それが「ひとを殺す」ということ。
人は僕を子供だという。まだ、何も知らない無垢な子供だと勝手に思う。
でも僕は、子供なんかじゃない。
僕は回りの奴らとは違うよ。
愚かで人に受け入れられることばかり考えるあいつらとは絶対に違う。
僕は、決して…。
助けて。
誰か助けて…。
手首に巻かれた縄が痛いし、口に張られたガムテープが痒い。
あの時絞められた首もいたい…。
私、あのお兄さんに殺されちゃうのかな?
嫌だよ…どうして私がそんな目に逢うの?
あのお兄さんはまだ子供なのに、私よりちょっと大きいだけなのに、こんなことするなんて変だよ…オカシイよ。
泣いちゃダメ。
きっとママは助けに来てくれる!
死んじゃったパパは、きっと見ていてくれる…。
頑張って、頑張って手を動かせば縄が切れるかもしれない!
学校が終わってから、僕には行くところがない。あの日、あの子の首を絞めて、余りに簡単な行為に嫌気がさしてとどめをさせなかった。
どうせ殺すなら、もっと楽しんでから。
そう思って僕はあの子を使われてない倉庫に連れていった。
ばれないように念のため持っていた縄で縛って。
彼女を捜している奴らがあそこを見つけるのは時間の問題だ。
だから明日、いや今日にも本当にやらなくちゃ。
ねぇ、君って名前は?
あ…そうか。テープがあるからね。待って…外してあげる。
でも叫んだら、このナイフで…わかるよね?
はあっ……苦しかった…私は…田所柚果です。あの…
なあに?
助けてくれますか?
無理だね。それから君は僕の質問だけに答えて欲しいんだ。
…はい。
君は幸せ?
はい。
即答だね。君、何歳?
七歳です。
僕は一つ上だよ。ほら、こんなに背が伸びたから皆、高学年だと思ってしまうけど。
ねぇ、どうして幸せなのかな?
ママがいるし、お友達もいるし…私はそれが嬉しいから。
そう。君ってかなり頭がいい方みたいだけど、随分単純なんだね。
頭なんか良くないけど…よくても悪くても多分私は幸せです。
だって、ママが生きてるんだもの。
パパは?
パパは…車の事故で死んじゃったの。ママも乗ってたの。だから、ママだって本当は死んじゃったっておかしくなかった。
だから、幸せなの?
そうです。
(変な奴……)
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