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航宙機動部隊前史・46

[594]  まっかつ  2008-04-27投稿
冷戦打開の可能性は何度も探られた。
銀河元号一五一四年・第一次太陽会議、銀河元号一四一七年の第二次太陽会議によって、主要宙邦の主力艦の総数と一G下排水量・武装を制限する《コロナ軍縮条約》が締結された。
人類が宇宙に進出して以来、全銀河クラスの宙際条約が結ばれたのはこれが初めてであった。
それだけ宙邦の軍事力が人類宇宙全体の脅威になったと言う事だ。
コロナ軍縮体制は更に銀河元号一五二二年の中立船団条約で要塞等の軍事施設を、翌一五二三年には虚空条約によって最終兵器クラスの開発・製造・実験・配備を制限する事に成功した。
だが、これが限界であった。
九つある宙邦の内、国力に乏しい《持たざる者》達による密やかな離反が始まるまでにそう時間はかからなかった。
水面下の反抗は、すぐさま大っぴらな挑発となって銀河を揺るがす。

この動きに対処すべく、今度は宗教界が動いた。
彼等の総本山の一つ、エレミヤ星系第三惑星ホセアにて戦争を食い止めるべく最後の努力が行われた。
だが―それを主宰した太聖・イズラヒムが凶弾に倒れ、更に全銀河で僅か三日の間に確認されただけでも七0万件ものテロが連鎖し、実に人工植民体二二・宇宙船六八0・惑星内都市一五の完全消滅を皮切りに、八三四万名もの命が失われたのだ!
これを仕掛けたのは、他でもない―コロナ体制転覆を目論む再統合派の三つの宙邦。
彼等は全面無制限戦争を引き起こし、他国を侵略する事によってより豊かな人的資源の配分を獲得しようと、この日が来るのを待ち望んでいたのだ。
彼等が結成した《新銀河軍事同盟―通称ギャームリーグ》は、兼ねてからの計画通り、艦列を連ねて一斉に中央域への侵攻を開始した。
中央域には何よりも彼等が欲しがる膨大な人口が存在する。
ギャームリーグの侵略軍は、正規の機動部隊だけでも三0万隻を擁し、しかもその大半が軍縮条約を無視して格段の性能と装備が与えられていた。

この歴史上最悪のテロと侵略に戦慄しつつも憤慨した残る六宙邦も、直ちに《自由と平和回復連合》通称フリースユニオンを組織した。
銀河元号一五二五年―長年に及ぶ努力が積み重ねられた戦争回避の願いは、こうして踏みにじられた。
人類史上最大の戦争―恒星間大戦が始まったのだ。

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