飛 [11]
「…あの、朝の事怒ってる?」
顔を見るのが怖かったので俯きながら問いかけた。
「…何が?」
明らかに素っ気ない返答が返ってきた。
「てか省吾とばっか話してさ〜…どこがいいんだ?」
省吾の事を馬鹿にしたように聞こえ、怒りが込み上げてきた。
「は!?省吾は記憶がない私を手助けしてくれてんのよ!?
彼氏だったら彼女の異変位気付けよ!」
耕太は余程びっくりしたらしく、しばらく黙っていた。
「嘘だろ…?普段から寝ぼけてるから分からなかった。彼氏失格だな…。」
普段の私って…。
その一言で一気に怒りが冷めた。
「これは分かるよな…?分かるって言ってくれよ…。」
そう呟き、銀のブレスレットを私に握らせた。
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