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遺書−私と彼女という現象−

[339]  あきは  2008-04-28投稿
−第八話−
 独りで全てを背負い疲弊しきった『A』は、<鬱病>になり、メンヘラーになった。その上、病院から出された薬ですっかり中毒症状を感じていた。

『A』は1週間で全部で400錠近い薬を溜め込むと、12月のある晩男に
「じゃあ、寝るね。バイバイ」
といい、その全てをビールで飲み干した。
その直後から記憶は消滅した。

気がつくと薄暗がりの個室で両手と身体を縛られて天井をみていた。
「……A、もう一度やり直そう。」
男が涙を零しながら『A』の手を握った。『A』は、発見が早かったのとビールで薬を飲んだせいか薬をほとんど吐き出して閉まったらしい。

死ねなかった直後、断薬ね凄まじい苦痛を味わった。まるで自分の身体が別な場所にあるような感覚や目眩・吐き気、日の光ですら苦痛の対象だった。

(死にたい…死にたい。でも生きていたい。)

矛盾した気持ちの中で『A』はもがき、心療内科の医師に訴えた。しかし、帰ってきたのは、責任転嫁の医師の姿だった。
「そんな状況じゃうちでは診切れません。他の病院を探して………。」

『A』と共に話しを聞いた男と『A』の両親は絶句し、薬一つ処方されないまま追い立てられた。
何を信じて良いのかわからないまま『A』は、一時的に実家に戻ることになったのだった。

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