失われた記憶?
ポツ…ポツ…ポツ…ザー…‥。
個室の窓から外を覗くと、まだ午後二時過ぎだというのに、大きな灰色の雲が空いっぱいに広がり、大粒の雨が音を立てながらふり続き、時折稲妻が光る。
「今日は、何か嫌な予感がするなぁ…。」
僕は、窓辺から離れると小さく呟く。
「唯(ゆい)…。早く、目を開けてよ…。」
そう言いつつも、彼女が目を覚ます日は来るのだろうか…と、思ってしまう自分がいる。
だが、そんな考えはすぐに払いのけた。
数時間後、僕はいつの間にか眠ってしまったみたいで、あたりはすでに真っ暗だった。
眠い目をこすりながら、急いで帰りの支度をしていると、突然、ビューッという音と共に閉めたはずの窓があき、冷たい風が吹き込み、カーテンがヒラヒラとまった。
「・・・閉め忘れたのかな。」
僕は、再び窓に近付き、窓を閉めようとした。
…と、その時背筋が凍るような感じがした。
誰かが、窓辺に座っているのだ。
「やぁ、こんにちは。
アンタさ、毎日祈ってるけど、そんなにこの女助けたいか?」
愛想のない笑顔を振りまきながら、僕に話しかけた。
「助けてやろうか?」
その誰かが、にやっと笑うのを感じた。
僕は、逃げ出したい衝動をこらえ、半信半疑で聞いてみる。
「あの…。
本当に…彼女を助けられるんですか…?」
「ああ、もちろん。そんなのたやすいことさ。
ただし、条件がある。」
「条件…?
…なんだっていい!唯が…、彼女が助かるなら!」
「ほう…。」
窓辺に座っている誰かが、さらににやっと笑うのを感じると、暗がりから、やっと姿を現した。
とたんに、不思議と恐怖心が消えた。
恐怖をこえて、恐れることとは、どういうことなのかも、分からなくなってしまったのだ。
個室の窓から外を覗くと、まだ午後二時過ぎだというのに、大きな灰色の雲が空いっぱいに広がり、大粒の雨が音を立てながらふり続き、時折稲妻が光る。
「今日は、何か嫌な予感がするなぁ…。」
僕は、窓辺から離れると小さく呟く。
「唯(ゆい)…。早く、目を開けてよ…。」
そう言いつつも、彼女が目を覚ます日は来るのだろうか…と、思ってしまう自分がいる。
だが、そんな考えはすぐに払いのけた。
数時間後、僕はいつの間にか眠ってしまったみたいで、あたりはすでに真っ暗だった。
眠い目をこすりながら、急いで帰りの支度をしていると、突然、ビューッという音と共に閉めたはずの窓があき、冷たい風が吹き込み、カーテンがヒラヒラとまった。
「・・・閉め忘れたのかな。」
僕は、再び窓に近付き、窓を閉めようとした。
…と、その時背筋が凍るような感じがした。
誰かが、窓辺に座っているのだ。
「やぁ、こんにちは。
アンタさ、毎日祈ってるけど、そんなにこの女助けたいか?」
愛想のない笑顔を振りまきながら、僕に話しかけた。
「助けてやろうか?」
その誰かが、にやっと笑うのを感じた。
僕は、逃げ出したい衝動をこらえ、半信半疑で聞いてみる。
「あの…。
本当に…彼女を助けられるんですか…?」
「ああ、もちろん。そんなのたやすいことさ。
ただし、条件がある。」
「条件…?
…なんだっていい!唯が…、彼女が助かるなら!」
「ほう…。」
窓辺に座っている誰かが、さらににやっと笑うのを感じると、暗がりから、やっと姿を現した。
とたんに、不思議と恐怖心が消えた。
恐怖をこえて、恐れることとは、どういうことなのかも、分からなくなってしまったのだ。
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