良子の片思い (投稿やり直し)
聖友女学院大学の学生・荻島良子は、東都大学に通う森山拓也と付き合っていた。…と言ってもせいぜい、一緒にお茶を飲んだり、互いにメールを交換する程度の友達付き合い。『恋人同士』とか言う深い関係にまでは至っていない。二人の出会いは合コンの席上で良子が拓也に一目ぼれしたのがキッカケ。
それ以来、良子は自分の方から拓也に何度も会ったり電話やメールを送ったりして積極的な行動を取った。
最初の頃は良子を敬遠していた拓也も、相手のひたむきさに心を揺り動かされて、良子の思いに応えるようになったのである。
変な気取らず、とても気さくな拓也に良子の恋心は益々、熱くなるのだった。そんな愛する拓也だけど、全く不満がないワケではない。そう。一つ不満があるのだ。
(拓也ったら、友達以上の付き合いをOKしない…)
実は拓也は良子から声をかけられた時、或る条件を出していた。
「俺と付き合うなら、しばらくは…茶飲み友達、メル友感覚でゆきたい」
─えー、何ィ?
タダの友達関係でいたい…って事なのォ?─こんな条件、良子には満足出来るハズない。「私と付き合うのは、イヤなの?」
「違うよ」
「じゃあ何なの?
きちんと説明してくれないと、納得しない」「俺たちは今日の合コンで知り合ったばかりで、お互いの事は何も知らない。だから先ずは…。友達として付き合いたいと思ってる」「だったら…、最初から恋人同士の方が…お互いの事、理解しやすいんじゃない?」
「イヤ、俺は」
「分かったわ。安心して、あなたの言う通りにするから」
「ありがとう」
「…」
拓也の希望を聞き入れた良子だが、何か釈然としない。何だか、自分を信用していなくて、一定の距離を置かれている感じさえ受けるのだ。少しだけ不愉快な気分である。
つづく
それ以来、良子は自分の方から拓也に何度も会ったり電話やメールを送ったりして積極的な行動を取った。
最初の頃は良子を敬遠していた拓也も、相手のひたむきさに心を揺り動かされて、良子の思いに応えるようになったのである。
変な気取らず、とても気さくな拓也に良子の恋心は益々、熱くなるのだった。そんな愛する拓也だけど、全く不満がないワケではない。そう。一つ不満があるのだ。
(拓也ったら、友達以上の付き合いをOKしない…)
実は拓也は良子から声をかけられた時、或る条件を出していた。
「俺と付き合うなら、しばらくは…茶飲み友達、メル友感覚でゆきたい」
─えー、何ィ?
タダの友達関係でいたい…って事なのォ?─こんな条件、良子には満足出来るハズない。「私と付き合うのは、イヤなの?」
「違うよ」
「じゃあ何なの?
きちんと説明してくれないと、納得しない」「俺たちは今日の合コンで知り合ったばかりで、お互いの事は何も知らない。だから先ずは…。友達として付き合いたいと思ってる」「だったら…、最初から恋人同士の方が…お互いの事、理解しやすいんじゃない?」
「イヤ、俺は」
「分かったわ。安心して、あなたの言う通りにするから」
「ありがとう」
「…」
拓也の希望を聞き入れた良子だが、何か釈然としない。何だか、自分を信用していなくて、一定の距離を置かれている感じさえ受けるのだ。少しだけ不愉快な気分である。
つづく
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