携帯小説!(PC版)

ある風景

[362]  マリリン  2008-05-01投稿
フミは最近、すぐ「疲れたなぁ」と呟いてしまう。ニュースでは、気味の悪い事件の報道ばかり流れ、フミの周りの人たちも、それぞれの悩みやそれぞれの疲れのために、どこか皆、不機嫌な表情をしていた。

誰も他人のことを、考えられる余裕など持ちあわせていないように見えた。 例えば、フミが住んでいるような大都会では、ホームレスの人達が、駅で倒れていることなど、日常茶飯事で、誰も気に留める通行人はいなかった。

生きているのか死んでいるのか分からない老人のホームレスの側を、まるで、その老人が見えていないかのように、通行人は自分たちの会話に夢中になって、通り過ぎるだけ…


フミは、そういうホームレスの老人を見掛ける度に、今にも駆け寄って、何かしてあげたい衝動に駆られた。
その度に「でも、一体、私になにができる?私は、偽善者なのかしら?」この言葉が脳裏をよぎる。そして結局、彼女も大勢の通行人の波に紛れてしまうのだ。

あらゆる場面で、フミは、自分自身の無力感にさいなまれた。 いくら頭の中で、考えていても、いくら批判的な考えを持っていても、何も行動を起こさなければ、他の人たちと同罪だった。同罪…共犯者…



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