理想の…(2)
「…あたし変態に構ってる時間ないの。」
「ず、ずいません…。」
フッー。タバコをふかしながら正座をしてる僕を見下ろした。
「…さ、準備すっか。」
そう言うと彼女は急に化粧を始めた。
鏡やらマスカラやら、ドラえもんか!?と思うほどたくさんの化粧道具を鞄から取り出した。
手慣れた様子で前髪をぴんで止め、やや暗めのファンデーションを顔全体に塗る。
次にアイラインをキュッとひき、マスカラと青系のアイシャドーを使い、目を大きく見せる。
最後に淡いピンクのグロスを塗り、スッとぴんを外した。
化粧をしている女は嫌いだが、なぜか目が離せずに見とれてしまった。
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