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良子の片思い(続編?)

[514]  ぐうりんぼ  2008-05-03投稿
良子の問いに拓也は
「俺はそんな、イイ加減な男じゃねえよ。
合コンは何も、好きで出たんじゃない」
と、下心を否定した。拓也の説明はこう。
半年前の合コンには、本来なら別の男が出る予定だった。ところが前日になって、その男は急用で参加を辞退してしまった。
当然、空いた参加枠の埋め合わせの為に、代わりの人間が必要となる。そこで…合コンの幹事(拓也の友人)は森山拓也に合コンへの参加を強く働きかけた。だが、既に彼女が出来ている拓也にとっては参加する意味がない。そこで、幹事が思い付いたのが、拓也はサクラで合コンに出ると言う形だった。
拓也は話しを続ける。「パーティーではなるべく、俺は目立たないよう振る舞ったつもりだったけど、君から声をかけられるとはね」「それって、私が拓也の邪魔をしたような言い草じゃない。やっぱり私を騙したのね?」「誤解だ。パーティーで君から話しかけられた時に、俺はその場で交際を断るつもりだった。だけど君は、夢中になって俺に話しかけて来るもんだから…どうしたら良いのか、迷った。だからあの時、俺は咄嗟に例の条件を思い付いたってワケ。友達としてなら、イイかなァ…って思ったしね。決して君を騙したつもりはない」
「拓也って、サイテーね!」
こう吐き捨てるように言って、良子はサッサと帰ってしまった。
そしてこの夜…、良子は自宅リビングのソファで、ずっと拓也の事ばかりを考えていた。ちゃんとした恋人がいるのを隠して、自分と付き合っていた拓也に対して怒りが込み上がりっぱなし。
何も知らないで、拓也に惚れ込んでいた自分が情けなくて仕方がない。…とまあ、こんな感じで良子は気持ちが動揺していたが、今は幾らか落ち着いた。
一時は、拓也と別れようと思ったものの、どうしても思いが断ち切れない。だったら…、拓也を何とかして、私のモノに出来ないか?彼を、自分の方だけに振り向かせられないか? …良子は思った。(拓也の恋人って、どんな人物だろう?)
こう考えていた矢先に良子は又も、拓也の事で衝撃の事実を知る。

つづく

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